8歳のプードルさん

3年くらい前から時々体を掻くようになり、ここ1年は1日中痒がっていました。

痒みは強く、夜に寝られない事も。

投薬するとその時だけマシになるけどすぐに元に戻っていたそうです。

トリマーさんの紹介で受診されました。


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掻きこわしのために肩が赤くなっています。

フケも多いです。
(診察台の白い粉がフケです)

被毛が少ないのはトリミングの翌日に受診されたためですが、
それでも少なすぎですね。
全身を掻くために抜けるかちぎれるかして毛が減っています。



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両側の脇が真っ赤になっています。


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お腹~太ももの内側に少しブツブツがあります。被毛も少ないですね。
太ももの内側の皮膚が黒っぽいのは炎症が続いていた証拠です。



過去の治療歴と経過、食事内容や生活環境、および皮膚検査結果から「アトピー性皮膚炎+脂漏症」に絞って治療を組み立てました。

痒みが強いのでステロイド
掻きこわしによるびらんのため抗生剤
皮膚強化のために選択したシャンプー + 保湿剤
隠れノミアレルギー対策として経口ノミ駆虫剤
を使用

10日後の診察時には痒みが激減したのでステロイドを漸減。
代わりに皮膚強化目的のフード+サプリメントを使っていただきました。

とても反応が良くステロイドも順調に減らせたのですが、薬が切れると痒みが出ました。
ここまでおおよそ2ヶ月。

ここで内服薬を減らすためにステロイドのスプレーを使っていただくことにしました。
これは皮膚の表面で仕事をした後に無害な成分に変化します。
強い消炎作用があるのに副作用が出にくい優れものなんです。
初めは毎日、1週間後から2日に1回に減らしていただきました。
そこから1ヶ月後(治療開始から3ヵ月後)、下の写真のようになりました。


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毛が伸びたので皮膚の状態が分かりませんね(^^;
痒みがほとんどなく、掻きこわしは全くありません。
診察台にフケが落ちてませんね。



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脇の赤みが無くなりました。
被毛が濃くなりましたね。


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お腹の赤みとブツブツが無くなり、太ももの黒ずみも目立たなくなりました。




ここ1ヶ月は内服のステロイドは無し。

スプレーも2日に1回ですが皮膚は維持されています。

今後はシャンプーや保湿などのスキンケアを行いながらスプレーの減数やフードの制限を緩める予定です。