フェレット(イタチの仲間の動物)の症例紹介です。
 
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こんな感じの子ですね。もう亡くなりましたが、うちにも3頭いました。
 
 
フェレットは2頭に1頭は「副腎腫瘍、リンパ腫、インスリノーマ(膵臓の腫瘍)」のどれかにかかると

言われています。

中でも最も多いのが副腎腫瘍でしょう。

当然、ヒトにもフェレットにも犬猫にもある副腎という臓器。
その名の通り腎臓のそばにあります。特にフェレットのような小柄な生体は
慣れないと見逃してしまいそうな小さな臓器です。
 
主な仕事は内分泌系、つまり、身体をコントロールするホルモンを調整しながら出しています。

その副腎が腫瘍化してしまうため、ホルモンの分泌のコントロールがうまくいかなくなるのです。

その結果、貧血、脱毛、全身のかゆみ、前立腺疾患等が起きます。
 
 
 
実際に副腎腫瘍が疑われた子の写真がこちらです。
 
 
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背中から腰、尻尾にかけて広範囲に脱毛があり、またかゆみもありました。
 
 
まだ若い子だったので手術に踏み切り、副腎を摘出した結果の写真がこちら。
 
 
 
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2ヶ月後の写真です。
キレイに毛も生えそろい、痒みもなくなりました。
 
 
副腎腫瘍の場合、飼い主さんの目にみえるのは脱毛やかゆみといった症状だけのことが多いのですが
身体の中では貧血などが起こっているかもしれません。
 
また副腎が大きくなり過ぎると大静脈という重要な血管を破ってしまうので命の危険もあります。
 
治療法は副腎摘出(手術)のほかに、注射もあります。
高齢やその他の理由で、手術のリスクが高いと判断した子には注射をオススメしています。
 

 
2歳以上のフェレットさんで背中や腰、尻尾の脱毛がみられたら副腎の病気の可能性は高いです。
 
そうでなくても、定期的に病院にチェックしにいらしていただけると安心ですね。
あわせてフィラリアの予防もおすすめします。
 
そうそう、一般的に違う個体には感染しないと言われているウィルス性の感染症ですが
なんと人のインフルエンザはフェレットにうつります!!!
 
これからの時期、ご注意くださいねー。