《 今年、多発した皮膚炎です。湖北という地域性があると思われます 》

強い痒みを伴う皮膚炎のコーギーさん

ほぼ全身を痒がり、肘・脇~お腹~お尻まわり、および耳の先が脱毛しています。

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胸~お腹の脱毛が明らかに掻き壊しによるもの。

非常に強い痒みが想像されます。


発症は春ごろ

症状はずっと続いていたそうです

お住まいは長浜市内です。



実は見た目と発症からの経過(※)より原因は推測されました。

疑ったのはこいつ↓

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名はヒゼンダニ

ノラ猫や野生動物が持っている寄生虫です。

これによる皮膚病を疥癬(カイセン)と呼びます。

とても小さくて肉眼では見えません。
 
強い痒みやフケが出ることが多いです。

今回の子はおそらく疥癬だろうな、、、そう強く感じました。



一通りの皮膚検査を実施。
 
ところが見つかるのは細菌のみ。

ヒゼンダニは見つかりません。

本来はまず細菌に対しての治療のみ行いますが、来院までの経過と現在の症状からどうしてもヒゼンダニの疑いが強い。

寄生虫を見つけられていないだけでは?
(検査での検出率は高くない)


それを飼い主さんにお伝えし、見つかっていないけれどヒゼンダニの治療を始めていただくことにしました。


治療法は2週間に1回、病院で駆虫薬をつけます。

+皮膚炎が落ち着くまで抗生剤を内服。


治療に対する反応は良くて、2回目の受診時には痒みが半減、4回目にはほぼなくなりました。

治療前後の写真はこちら↓


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胸~お腹にかけてのブツブツが無くなり、毛が伸びました。


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脇の掻き壊しもなくなりました。


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耳の先端の発毛も良好♪


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お尻周りも毛が生えました(^^)



治療は4回で終了 

経過観察となりました。



今回は治療に対する反応から疥癬であったと言えます。

逆に検査で見つからないからと疥癬の治療をしなければ治せませんでした。

“検査”は絶対ではなく、あくまで参考資料の一つ。

“これまでの経過”、“現在の症状”から診断することも時には必要ですね。